・公開質問状の第二弾を提出しました(2011年11月14日)

 

公 開 質 問 状


旭川市長 西川 将人様


 平成23年第3回定例会9月14日の久保あつこ議員の一般質問に対して、旭川市は「学校給食に使う食材ついて、暫定基準値内であれば安全である」との回答をされました。これを受け、子を持つ一般市民として疑問を感じましたので質問させていただきましたが、回答も「学校給食に使う食材ついて、暫定基準値内であれば安全である」という、同じ回答を繰り返すのみで疑問を解消することができませんでした。

 そこで、再度、質問させていただきます。


①暫定基準値について

  野菜の暫定基準値はセシウム500Bq/kgです。

a)499Bq/kgの野菜は暫定基準値以下なので出荷されます。回答によると旭川市は暫定基準値以下であれば、安全な食材と考えている。であるのなら、その根拠である国際放射線防護委員会( ICRP) が勧告している放射線防護の基準がどのような内容なのか示して下さい。また「安全」という文言が、勧告している文章あるいは国が示す文章のどの部分に記述されているのか教えて下さい。そして、 安全である根拠を資料を提示した上で説明して下さい。

b)501Bq/kgの野菜は暫定基準値以上であるため出荷できない野菜となります。 回答から安全ではない食材と考えられます。 安全ではない根拠を資料を提示した上で説明して下さい。


 暫定基準値以下ということは放射性物質が含まれていることを示します。セシウム(放射性物質)を含む食品を食べた人間の健康が損なわれず安全であるのなら、その安全性を「証明」して下さい。


②暫定基準値以上の食材を使わないための取り組みについて

 「検査しているから大丈夫」と言いながら、暫定基準値以上のセシウムで汚染された牛肉が学校給食に出されました。また、2011年7月3日放送の NHKスペシャルという番組で大塚厚労副大臣が、「野菜の放射能検査は、(検査体制が追いつかないので)、規制値を超えた野菜の流通を完全に止められてはいない」と、販売されている野菜の安全性を否定しています。「発表されていないから分かりません」「独自の調査を行っていません」という回答からは、旭川市内で使用されている学校用食材の「安全」が確保されているとは考えられません。このような現状において、なぜ議会で「安全」と答弁がなされたのでしょうか?これらのことを踏まえ、学校給食の食材が「安全」である根拠を示して下さい。


③これまでの給食から受けた児童の内部被ばくの実態について

 正しい情報として児童生徒の内部被ばくの実態を把握せず、「安全である」と言い続けられる根拠はどのような理由でしょうか?。

 また、文科省は7月20日の事務連絡にて「給食実施者及び学校におかれましては、学校給食の食材の選定に際し、学校給食会や食材業者等との連携を密にしながら、上記調査の結果や出荷制限等の情報に留意するなど、学校給食の食材の安全確保に関し、特段の配慮をお願いいたします。なお、その際、保護者等の問い合わせに応じるなど、必要な情報提供に配意されるようお願いいたします」としています。

 暫定基準値以下であるのなら放射性物質を食べても「安全」であると言い、旭川市内の全児童に給食を通じて被ばくさせている旭川市は、内部被ばくの現状を正しく把握し保護者に情報開示する責務があります。

 内部被ばくを算定するための測定値が分からないのであれば、暫定基準の最大値で計算して下さい。なお 計算結果だけではなく、 計算に使用した数値・根拠・計算過程も併せて明らかにして下さい。


④セシウム以外の放射性核種の把握について

 「測定を行っておりませんので、科学的な説明は困難です。」とのことなら、なぜ議会で「安全」という答弁を行っているのですか?横浜市のマンションの屋上からストロンチウムが検出されました。ストロンチウムは骨に蓄積され排出はほとんどされません。白血病を発症させる確率が非常に高い、危険な核種です。これらセシウムを含む様々な放射性核種の測定も行っていないのに、給食に使う食材が「安全」と言える根拠を示して下さい。


⑤放射性物質の体内残留量とと発がんリスクについて

 暫定基準値以下でも継続して放射性物質(セシウム)を食べることで、放射性物質(セシウム)の体内残留量が増加する結果は、国が暫定基準を定める上で参考にしている国際放射線防護委員会( ICRP)のレポートです。そして、 低線量域放射線リスクモデルにおいて線量当たりの発がんリスクは、しきい値なしの直線モデルが国際的に同意されたモデルです(米国アカデミーの論文より)。「暫定基準値」以内でも食べ続けることで放射性物質の体内残留量が増え、増えることで子供達の発がんリスクが高まります。子供達の発がんリスク高めてまで放射性物質を含む食材を給食に使用する理由を教えて下さい。


⑥子供達のメリットについて

 「健康に重大な影響」というのは、どのようなことを想定しているのでしょうか。

 また、先にも述べましたが 、 暫定基準値以下でも継続して放射性物質(セシウム)を体内に取り込むことで、放射性物質(セシウム)の体内残留量が増加し、放射性物質の体内残留量が増えることで、子供達の発がんリスクを高めるという研究結果があります。 メリットがないのに無理矢理放射性物質を食べさせる理由は何処にあるのですか。

 「食材の安全性に対する一定の基準」とありますが、発がんリスクが高まることは無いと考えられるなら、放射性物質を体内に取り込んでも発がんリスクが高まらないという根拠を示して下さい。


各自治体に給食に対する父母の不安を払拭するための測定の機会や安全性確保の手法について、国は何も提示をしていないのでしょうか。

 「東日本大震災に伴う原発事故に起因する放射能問題の全国的な広がりから、国においてはこれ まで様々な措置を講じるとともに、消費者の身近なところで地方自治体が食品等の放射性物質を 測定する取組を支援する消費者庁の取組や、暫定規制値の見直しの取組など、新たな動きも始ま っています。御質問にある学校給食を対象とした具体的な手法等の提示につきましては、今のところ特にないものと認識しております」と言う回答ですが、消費者庁の取り組みは学校給食に対する支援ではないのですか?

 
inserted by FC2 system