公開質問状の第一弾を提出しました(2011年10月25日)
公開質問状の第一弾を提出しました(2011年10月25日)
公 開 質 問 状
旭川市長 西川 将人様
・前文
日頃より、子どもたちの健やかな成長のためにご尽力いただきありがとうございます。
私たちは、この度の福島第一原発事故に起因する食品の放射能汚染が、子どもの給食に与える影響を大変危惧しております。
周知の通り、現在では野菜に始まって、肉や魚、乳製品など多品目の食品で放射性物質が検出※1されています。主食である米の汚染も現実のものとなります。国は暫定基準値を定め、それ以下であれば安全としていますが、基準値については専門家の中でも意見が分かれており、決して十分に安全性が証明された基準ではありません。また検査体制につきましても十分といえる状況ではなく、局地的に汚染度が高い地域があるにも関わらず、全品検査が行われていない現状から、検査の網をくぐり抜けて、高度に汚染された食品が市場に出回る可能性を否定できません。そして厚生労働省は、流通している全食品が基準値以下であるとは言えないと自ら認めています。実際に基準値を超えて汚染された牛肉が検査から漏れて市場に出回り、学校給食にも使われてしまいました。※2
※1 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001rg92.html(厚生労働省)
※2 横浜市、仙台市、静岡市など
更に、食品の検査結果には、プルトニウム等のアルファ核種は公表されておらず、検査自体も実施されていません。
子どもたちは給食の食材を選ぶことができません。出されたものを、食べるしかないのです。成長過程にある子どもにおいて、放射性物質による内部被ばくが、大きな健康被害を及ぼすことは多くの専門家が指摘しています。 これから冬をむかえるにあたり、道産食材の調達が難しくなる野菜なども出てくると考えられます。北海道産以外の野菜を使うことになると思われます。
子どもたちが健やかに成長するために、安全な食品による給食の提供が必要不可欠です。子どもは地域の未来を担ってゆく大切な存在です。この問題に関して、ぜひ我々保護者と一緒に考えて頂けませんでしょうか。お忙しいところ誠に恐縮ではございますが、次に挙げる質問につきましてご回答いただきたくお願い申し上げます。
・質問内容
平成23年第3回定例会9月14日の久保あつこ議員の一般質問に対して、旭川市は「学校給食に使う食材ついて、暫定基準値内であれば安全である」との回答をされました。
これを受け、子を持つ一般市民として疑問を感じましたので質問させていただきます。
①暫定基準値について
野菜の暫定基準値はセシウム500Bq/kgです。
A)499Bq/kgの野菜は安全ですか?危険ですか?
B)501Bq/kgの野菜は安全ですか?危険ですか?
A)とB)、それぞれが安全か危険かの根拠を科学的に説明して下さい。
②暫定基準値以上の食材を使わないための取り組みについて
暫定基準値以下とみなされ流通していたものから、暫定基準値以上のセシウムが発見される事例が発生しています。流通している食品全体の中で放射線量測定済み食品の割合は何パーセントに当たるのでしょうか。また、暫定基準値以上の食材を給食に使わないため、どのような取り組みをされていますか、教えて下さい。
③これまでの給食から受けた児童の内部被ばくの実態について
暫定基準値以下であっても、各個人の放射性物質に対する許容基準・判断基準は違います。これを判断するのは行政でもなく、学校でもありません。判断するのは子供の保護者であり、そのためには正しい情報を知る権利が保護者にあります。そこで、3月11日以降、学校給食で子供達がどの程度の内部被ばくを受けているか教えて下さい。なお 計算結果だけではなく、 計算に使用した数値・根拠・計算過程も併せて明らかにして下さい。
④セシウム以外の放射性核種の把握について
横浜市のマンションの屋上からストロンチウムが検出されました。ストロンチウムは骨に蓄積され排出が非常に困難です。国はストロンチウムの測定をしておらず、また旭川市でもストロンチウムの測定は行えないと保健所から回答を頂いています。これらセシウム以外の放射性核種の測定も行っていないのに、給食に使う食材が安全と言えるのか、科学的に説明して下さい。
⑤放射性物質の体内残留量とと発がんリスクについて
放射性セシウムの一回のみ摂取と長期摂取による体内残存量の経時推移についてICRPよりレポート※3が出されています。1000ベクレルのセシウム137を一度に摂取した場合、および1ベクレルおよび10ベクレルのセシウム137をそれぞれ1000日間毎日摂取した場合の全身放射能(ベクレル)の推移(1000日間)において、1ベクレルおよび10ベクレルを長期摂取した方が体内残留量が多いという結果が出ています。
また、 低線量域放射線リスクモデルにおいて線量当たりの発がんリスクは、しきい値なしの直線モデルが国際的に同意されたモデルです。暫定基準値以下といえども給食で継続的に体内に放射性物質を取り込むと言うことは、DNAを傷つけるリスクが高まります。傷ついたDNAが正しく修復されないとDNAの変異が起き、それが蓄積することで子供が将来的にガンを発病する恐れが高まります。
放射性物質の体内残留量を増やし、子供達の発がんリスクを高めてまで暫定基準値内の食材を給食に使用する理由を教えて下さい。
※3 http://www.icrp.org/docs/P111(Special%20Free%20Release).pdf p21 Fig.2.2. (ICRP)
⑥子供達のメリットについて
レントゲンやCTスキャンでも外部被ばくをしますが、治療を進める上でのメリット、デメリットを判断し、メリットの方が大きいことから、この外部被ばくは許容されています。子供達は暫定基準値以下の放射性物質を含む食材を食べることで内部被ばくを受けることになりますが、これにより子供達に何かメリットがあるとお考えになりますか。
⑦北海道産の食材が、放射性物質によって汚染された場合の対策を教えて下さい。
⑧安全な食品による給食を維持するために、今後どのような対策を行う予定ですか?
⑨国は各自治体に給食に対する父母の不安を払拭するための、測定の機会や安全性確保の手法について何も提示をしていないのでしょうか。
⑩旭川市は暫定基準値を超える食品の市内流入に対して何か対応を考えているのでしょうか。